SS(小話)

2015年05月24日

(魔女の秘密展にて)



ジャンヌ『なんだか懐かしいものがいっぱいありますね。ジル』

ジル『そうですね。まるでオルレアン時代に還ったようです』



史河『えーと…………なんか中世の拷問器具や処刑法って、無駄に凝っているというか、作り手の歪んだ情熱を感じますよね……』



ジル『この頃は現代と違って娯楽に乏しい時代だったからね。

罪人の公開処刑は庶民にとってはちょっとしたイベントで、格好の憂さ晴らしだったのさ』

ジャンヌ『そうですね。私が火刑された時なんかも、ルーアンの広場が人の群れでいっぱいになりましたし』

ジル『まあ、貴女の場合は元から知名度がありましたから、その中でも特別ですが』

ジャンヌ『スターというのは辛いですね。うふふ』



史河『…………(汗)それにしても、このトゲトゲ椅子とかは用途が分かりやすいですけど、あの『苦悩の梨』?ですか?ちょっと小奇麗な装飾がされている文鎮みたいなヤツ、一体どうやって使ったんでしょうね』



ジル『ああ、あれ。あれは凄く痛くてね……ふふふ……私ですら、初めて使われた時はあまりの痛みと屈辱に泣き叫んだものさ……なにぶん経験者だからね。どんな風にして使う物か、事細かく、かつ生々しく説明してあげる事が出来るが……本当に知りたいかい?』



史河『…………………………遠慮しておきます』



ジル『そうかい?それは残念だ(にこり)』

ジャンヌ『ジルは拷問のプロですからね……!(※主に受ける方の)』

ジル『確かに首を落とされる以外の事は大体経験していますが……とはいえ、火刑にされた貴女にはやはり敵いませんよ、ジャンヌ。

さすがに、私も意識がある状態で燃やされるのは勘弁願いたいです』

ジャンヌ『あら、そうですか?私の受けた苦行など、貴方が歩んできた五百数十年に比べたら可愛いものかと思っていましたが……ともあれ、今が幸せなら些末な事ですよねv』

ジル『そうですね(にこにこ)』



史河『(なんでわざわざこんなかつてのトラウマを誘発しそうなところにこの二人はいるんだ……というか、そもそもカップルで来るような場所じゃないよね !? ここ)』





答え:二人ともドMだから。(ジャンヌ様はS属性もお持ちですが)





◆◆◆



お世話になっているサイト様の日記上で最近巷で人気の『魔女の秘密展』が話題になっていたので、思わず。

文中に出てくる『苦悩の梨』の一般的に知られている使用方法は、この良い子ヤプログ上で書くにはちょっと検閲が入りそうな程、えげつないものなのですが、実際には罪人の口に突っ込んで口を閉じられないようにするのに使われていたとか何とか。ようするにボールギャグか。





……ただ、おそらくは元帥の場合、どちらの使用方法もバッチリ経験済なんだと思われる。

生真面目な元帥閣下の身体を張った渾身のブラックジョークに乾杯。



昨日のキスの日に何も出来なかったので、とりあえずイチャパラしている二人を書いて自己満足にひたってみただけの投稿でした。














(20:32)

2014年12月21日

※まずは次の設定を考慮の上、本文へお進み下さい。※



『かおす本舗』に登場する主要男性キャラの身長・体重

殿下:184cm/72kg

エリィ:187cm/74kg

元帥:186cm/78kg

ダレフ:185cm/71kg

ルカさん:182cm/71kg

イシュトヴァン:183cm/68kg



ジル:(プロフィールを見ながら)……これ、絶対嘘でしょう?

テルゼ:?

ジル:このメンツの中で私が一番体重があるとかありえないんですけど !?

エリフォン殿も殿下もめっちゃ筋肉ありますよね?体脂肪率一桁って言ってましたよね?なのに、何故揃いも揃って私より体重が3キロ以上軽いんですかッ!」



エリィ:……うーん、俺らにそう言われても……

テルゼ:設定は設定ですしねぇ……

エリィ:あ、じるるん、ひょっとして結構隠れ肥満だったりするの?



ジル:断じて肥満ではありません!確かに筋肉もありませんが、脂肪だってありません……!

どうせ絵にかいたようなモヤシですよ私はッ!

エリィ:騎乗槍を平気で振り回して、さりげなく腹筋も割れてるヤツをモヤシ呼ばわりする奴はいないと思うが……

ジル:なのに体重だけ一番重いとか……みなさん、絶対プロフィールを詐称していますよね?



テルゼ:……ジルさん……それは言ってはいけないお約束ですよ……

ジル:殿下?

テルゼ:考えてもみて下さい……

いくら普段から銃火器を扱っていたり、常に全長1メートル以上の鉄棒を振り回しているからといって、体重が身長の下2ケタと同じかそれ以上のゴッツイ皇子なんてなんかイヤじゃないですか !?

貴方はウエスト60cmでデブ扱いされるグラビアアイドルの気持ちを考えた事があります !?

僕だって……僕だって譲れないイメージというものがあるんですよ……!

エリフォン:いや、それお前、自分が実は体重誤魔化してるって吐いたも同然……



テルゼ:(無視)事実はどうであれ!僕らは夢を売るのも仕事なんです!

『優男がスマートに汗一つかかずに多勢に無勢を覆す』というのに、人々はロマンを感じますし、政治的にもクリーンで親しみやすいイメージを作りやすいんです。

貴方なら、そんな大人の事情、すぐに察して頂けると思っていたのに……



ジル:殿下……そこまで深い考えがあったとは……

私としたことが、短慮な臣で申し訳ありませんでした……

テルゼ:分って頂ければいいんですよ……

それに、僕がイメージそのままのモヤシだと思って、ケンカを振ってくる他国の自称:現場系王子を軽く捻るのもなかなか快感でしてね……ふふふ。



ジル:……殿下ってこんなキャラでしたっけ……(汗)

エリィ:……最近、今後のストーリーの展開を踏まえて覚醒後の『皇帝キャラ』が入ってくるようになったから、お前さんも気を付けろよ……

奴の本質はダレフ兄貴と同じ、ドSだ。

ジル:まぁ、クアサール卿の使われぶりから、なんとなく感じてはいましたけどね……



テルゼ:二人とも、なにかおっしゃいましたか?(にっこり)

エリィ:いんや、何も。

でもま、この機会に改めて身体検査をするのもいいかもしれねぇなぁ……プロフィール作った頃とイメージ変わっている連中も結構いるだろうし。

テルゼ:そうですね。僕はこのところ、また体重落ちたみたいですし……

エリィ:え?そうか?お前イグナツのところにあったデータだと確か80越え──ぐえっ。

テルゼ:じゃあ、今度、作者に設定改稿の希望を申告をしておきますね。

ジル:は……はい……(汗)





■■■



ぱっと見かなりひょろっとして見える、某火星ゴキブリに人類が駆逐され漫画に登場するドイツのツンデレオフィサーも180で88キロあるらしいので、(あと近似値だと某双子座の188/87とか)ガチでアレでソレな殿下やエリィあたりが80越えのウェイトでも何らおかしくないわけですが、そんな彼らがモデル体重で、このメンツで本来設定的に一番モデルに近いスレンダー体型であろう元帥が一番体重が重いという不思議。



すいません、このプロフィール考えてた頃は元帥が一番モヤシとか全然考慮に入れてなかった……(汗)



最近改めて確認して戦慄しましたわ……

イシュトヴァン兄貴なんて、元帥と身長3センチしか違わないのに、10キロも体重軽いんだぜ……



ちなみに男性陣で一番ほそっこいのは、

イグナツ:178cm/62kg

クリス君:179cm/63kg



の2名で、ともに身長・体重の差が115になっています。まあ、こちらはイメージそのまんまの感じ。



ただ、一番見た目からしてごつそうなリフですら、192cm/81kgのスレンダー体型なので、ある日気が付くと、各人のプロフィールに若干の修正が入っているかもしれません。

その際はどうぞおゆるしを。



しかし最近、元帥が愛されキャラになっている分、どんどん殿下が黒くなっている気が……こちらも出来るだけ早いうちに本編のイメージを固めるのにまともな小説を書いてやらないとまずいよなぁ……














(19:57)
「ジャンヌの幸せは私の幸せ」

……そんなマイスローガンの下、かわいい新妻(って事でいいよもう)に美味しいごはんをたんと食べさせるために、今日も元フランス王国元帥で聖騎士のジルさんは、アルバイトに勤しんでいるのです……

(本日のまえがき)



(舞台設定・〈本国〉は聖都本星・〈世界の頂〉にある東宮殿下のオフィスにて)



女性オペレーターA「あ、男爵様がいらっしゃったわよ……!」

女性オペレーターB「元帥殿……!元帥殿……ッ!」

女性将校C「レイ卿!」





ジル(テルゼから頼まれた贈答品やら備品各種を運びつつ)「これは皆さん御揃いで……あ、何度も言っておりますが、私の事はただの『ジル』で結構ですよ。

そんなに慌てていかがされましたか?」



女性オペレーターA「そんなことおっしゃられましても……男爵様は男爵様ですし」

女性オペレーターB「この〈本国〉で爵位を持つ軍属はみな勅任官(※平たく言うと『閣下』の敬称を使う将軍職の事)ですから……」

女性将校C「ましてや、レイ卿は一時とはいえ、他国で司令長官職にあられた方。身分だけであれば我々の直属の上司であるクアサール卿よりも上。(※シードの事。シードの階級は少将/騎士)

殿下からも客将扱いで遇せよ、と申しつけられております故、こればかりはおゆるしを」



ジル「そうですか……」



女性オペレーターA「そうです!何より、そんなに将校服が似合うパートタイマーとか、無理があり過ぎます……!

女性オペレーターB「もうお背中にオフィサーコートがはためいていないと落ち着かないというか!」

女性オペレーターA「ぶっちゃけうちの提督よりも将校オーラが半端ないというか……!」

女性オペレーターB「とりあえず、初日に閣下を撮影した生写真は即日完売いたしました!」

女性オペレーターA「次は例の騎士服での撮影をよろしくお願いします!もちろんモデル料はお支払致しますので……!」

女性将校C「……あなたたち……何時の間にそんな商売を……

あとで、私のところにデーターを提出するように

オペA&B「イエス、マム!」



ジル「(な、なんか知らないうちに肖像権がピンチなことに・汗)……えーと、それより、みなさん私に何用で?」



女性オペA「そうそう!忘れるところでした!お願いします!男爵様!」



全員「私たちの胸を揉んでください……!」



ジル「……はいッ !? 」



オペA「揉むのに抵抗があるなら、せめてタッチするだけでも結構ですので」

オペB「あ、決してなにかの余興とかワナとか、そういう事は無いので」

将校C「我々はごく真面目ですから」



女性陣全員「よろしくお願いします!」





ジル「………………(え?なに?なんなの?この逆セクハラな状況・滝汗)」



エリフォン「あー……お前ら、あんまりじるるんを苛めちゃだめだぞ。年の割に純情なんだから」

ジル「エリフォン殿」

女性陣「〈護戦神〉……!(敬礼)」



エリフォン「ほら、かしな。俺も一緒にテル坊主のところに持ってってやるからよ。

わりぃなみんな。じるるんのゴッドハンドは彼女限定なんだとよ。

俺でも良かったら、シードかテル坊主を通して連絡くれよな、じゃあな~」



(回廊を二人で歩きつつ)



ジル「た、助かりました……

しかし、一体これはどういう……」

エリフォン「あー、あれな。

実はじるるんがこっちに来ていない時に、ジャンヌちゃんの方がこっちに遊びに来たことがあってな。

そこで、またジャンヌちゃんの胸がしばらく見ないうちに育ったって話題になったんだわ

ジル「………………」





ジャンヌ『あ、やっぱりわかります?

神様の前だから正直に告白しちゃいますけど、最近またカップサイズが上がったんじゃないかな?ってジルから言われて、新しいブラを買いに行ったばかりなんです。きゃv』



エリフォン「……とそこで、当の本人から『マエストロによる匠の技』が原因だと、自己申告が……」

ジル「─────!(『ジャンヌ───!(涙)』)」

エリフォン「そんなわけで、すっかりシードの部隊の間では、『じるるんはバストアップの神様・夢のゴッドハンドの持ち主』って事になっちまったんだわ。

まあ、幸せそうで何よりじゃねえの。なんかダレフ兄貴が「私とて劣る事は……」とかなんとかブツブツ言いながらて悔しがってたけどな。

ジル「……まったく……別にジャンヌがどう思ってくれているかは分かりませんが、私は別に特別な技巧など何も持ってはいませんよ……

だいたい、その胸の大きさが大きくなったのだって……」



(以下、回想)



ジャンヌ「(涙目になりながら)ジル……た、体重がまた増えてしまいました……(ぷるぷる)

ジル「いけませんね……ジャンヌ。

まだ肥満というわけではありませんが、適当なところで食欲をセーブをして、ウェイトを管理をする習慣をつけておかないと」

ジャンヌ「む、昔と違って、最近は馬にも乗れないから……」

ジル「私とて、馬に乗る機会などありませんよ」

ジャンヌ「……うう、だって……

だってこの時代は!日本は美味しいものが多過ぎるんですもの!」

ジル「お気持ちは分かりますが……食べ過ぎは健康にもよくありません。

貴方の健康は、私の健康にも関わってくる問題ですから」



ジャンヌ「……そうですね……わかりました……

……私がおデブになる事で、ジルもまた絶食に追い込まれてしまう……なんておそろしい……

そうわかっていても、つい、食べてしまう。

そう、これはきっと妖怪のせい……!



ジル「………………は?」



ジャンヌ「そんなわけでジル!私は今からこの二人の聖域から恐ろしい妖怪を討ち払うべく、『よう〇い体操第一』を極めます!

DVDの購入を───!」



ジル「…………えーと……」



ジャンヌ「あとついでにジ〇ニャンとコ〇さんのぬいぐるみも一緒に所望します!さあ、インターネットでの召喚を!今すぐに!」



ジル「…………」



(回想終了)



ジル「……単に肥えた分を、その後引き締めるところを運動(※よう〇い体操第一)で引き締めて、寄せて上げただけなんですが……」

エリフォン「つっても、『夜の運動』はしっかり手伝ったんだろ?お前さんも?(ニヤニヤ)」

ジル「……あ、いや……その……

~~~~~(赤面)」



エリフォン「でもさ、実際のところじるるんてさ、地元じゃマジで乳神様なんだろ」

ジル「え?知りませんよそんなの」

テルゼ「そんなことはないでしょう」

ジル「で、殿下まで」

テルゼ「……確かジルさんが歴史上、処刑されたという場所に、戸籍上の娘さんが立てた祠か何かにお参りすると、母乳の出が凄く良くなるとかで、地元で大評判だったとか何とか(※実話)」

ジル「いや、それほぼ私関係な──」

ジャンヌ「そうですか。じゃあ、子供が生まれた後も期待していますねvジルv」



ジル「ジャ……ジャンヌ !? なんでこちらに?」

ジャンヌ「もうすぐお仕事終わりですよね?迎えにきちゃいましたv」

テルゼ「おやおや、それでは、せっかく話題の中心が来たことですし、これから非番の者みんなで美味しいものでも食べにいきましょうか?」

ジャンヌ「賛成でーす!ちなみに私は今とってもお肉が食べたい気分ですv」

ジル「ちょ、ジャンヌ!やっと引き締めに成功したばかりなのに、おデブになったらどうするつもりですか!」

ジャンヌ「またジルに協力してもらいますから大丈夫ですv」

エリフォン「だとよ、イケメン」

ジル「~~!ジャンヌ~~~~~」



その日、おなかいっぱい焼肉を食べたジャンヌさんは、夜明け近くまでジルさんとエクササイズ(意味深)に励んだそうな。

おしまい。



今回のまとめ:イケメンはつらいよ。

ちなみに、文中に出てきた『マリちゃん(※元帥の(戸籍上の)娘)謹製・乳神様の祠』はフランス革命の時に破壊されてしまって、現在は存在しないそうな。残念。


















(16:06)

2014年12月14日

今日も今日とて、〈医聖〉ことイグナツ=ハーゼル=アフラロイド陛下による〈マイスイートハニーを味わい尽くす為のわくわくウォッチングタイムinティータイム〉(長)は続いていた。



イグナツ(某金髪皇太子をモニタリングしながら)「……はぁ……セイクリッド……今日の君も実に愛らしい……おかげで献上品のアールグレイの風味もより一層増すというもの……」



エリフォン「……お前は本当にガキンチョの頃からテル坊主が好きだよなぁ……一体何がそんなにいいわけ?いくら可愛くても野郎だぞ?アイツ」

イグナツ「美しいもの、優れたものを愛でるのに、性別など関係ありません。あの子の存在、全てが観賞に値する芸術品なのです」

エリフォン「……ああ、訊くだけ野暮だったなぁ……そうだよなぁ……お前さんは神話の昔から両刀使いで知られてたもんなぁ……」



イグナツ「小さい頃のあの子は、まさに地上に舞い降りたイノセンスという言葉の化身。愛と美の結晶。少年の姿はその愛らしさに知性とひたむきさが加わり、また味わいに一段と深みが増し、青年の姿は、あのダレフ兄様とうり二つの容姿であの性格というギャップ萌えがたまらないというか、もうどの年代でも美味し過ぎてたまらないわけですよ。

……はあ……兄様には何故あの子の魅力が分からないのか……」

エリフォン「いや、俺は純粋に血縁者だし。お前と魅力を共有出来たら、それはそれで非常にヤバいだろ」

イグナツ(冷ややかな目で)「……まあ、兄様の場合、端からX染色体が二つ並んでいる存在以外には興味がないという事は重々承知していますし、語るだけ無駄だとは分かってますけどね」

エリフォン「……お前みたいに男女見境なく食い散らかす奴よりマシだろうがよ」

イグナツ「失敬な!ただ、メスというメスに突っ込みたいだけの貴方と一緒にしないで下さい!」

エリフォン「おま……失敬なのはどっちだよこの変態!

……あ~あ、ホント、こんな腕力も権力もある変態に付きまとわれる奴はマジ大変だね。同情するね~世も末だね~

あ、お前。腕力が同等のテル坊主はともかく、じるるんとかマジ手を出すなよ。お前みたいなのに言い寄られたら今度こそ再起不能になるだろうから。

テル坊主みたいなのが好みっていうなら、絶対目を付けてるだろ、お前」



イグナツ「……じるるん?あの最近セイクリッドと仲良くしている〈黄金の種族〉の末裔──レイ卿の事ですか?

ふむ……確かにあの子も可愛いですね。好みと言えば、かなり好みです。

どことなくヒュアキントスやガニュメデスの姿を思い出します」



エリフォン「ああ!やっぱし!……やめろよ?絶対手ェ出すなよ?事実婚状態の彼女持ちだからな?

イグナツ「そうでしたね。その彼女……〈オルレアンの乙女〉でしたか?彼女も大層僕好みで実に美味しいカップルですね。見ていて微笑ましいです」

エリフォン「……ん?なんかちょっと意外な反応だな」



イグナツ「そんなことはありません。

セイクリッドを観察するにあたり、最近はあの二人についても必然的に目に入る場面が多いですが、むしろあの二人は揃っていてこそ価値があると僕は思っていますよ。

……逆に、レイ卿に纏わりついているおかっぱ頭の小僧の方は非常に目障りですが」

エリフォン「あれ?それって同族嫌悪って奴か」

イグナツ「あんな変態と一緒にしないで下さい!!!」

エリフォン「…………!(変態が変態を罵っている!)」



イグナツ「ええ、僕もあのおかっぱ小僧の所業は存じておりますとも。末裔の青年──ジル卿は可愛いセイクリッドの友人のようですし、経歴は無論一通りチェックしましたから。

まったく……あの似非神父の変態小僧……なんて悪行をしでかしてくれたのか……ゆるすまじき鬼畜です

エリフォン「……(な、なんかまともな事言ってる・汗)」



イグナツ「負った心の傷で可愛らしい恋人同士が愛し合うのに躊躇うなんて……ああ……出来ることなら二人して僕の〈花園〉に招いて癒してあげたい……彼らが望むなら、いっそ全て忘れさせてあげる事も僕だったら出来るのに……」

エリフォン「〈花園〉?」

イグナツ「……〈楽園〉と言い換えてもいいかもしれません。

ヒトが知恵の実を口にするまでいたと言われている場所の再現。永久の平和が続く最果ての場所。選ばれた者だけが住まう〈箱庭〉です。

──そう、もし彼らが僕の導きに従うのであれば、何者にも脅かされない平穏な世界で、憚りなく愛を謳歌する毎日を約束しましょう。

……ああ、あの二人、本当に揃ってお迎え出来たらいいのになぁ。

きっと素晴らしいアダムとイブになるでしょう。

子供とか出来たら絶対可愛いだろうし。もちろん全員ちゃんと面倒見るし。

ああ、でもそんなことになったら、〈コレクター仲間〉が、うちにも欲しいって言い出しちゃうかも」



エリフォン「……なんだろう。あのドSなおかっぱ小僧より、一見、まともなはずのお前の発言の方が、より不穏なものを感じるんだが……(汗)」

イグナツ「ヒトとしての余計なしがらみから真に解放された二人が、〈常春の宮〉でただ本能のまま交わり合うのを眺めながらお茶をする……考えただけで幸福な光景です」



エリフォン「~~~~~(ぞぞーっ)←鳥肌が立つ音



イグナツ「……そうだ。一度実際に会って話をしてみましょうか。

セイクリッドに場を設けてもらえるように連絡を……」

エリフォン「いや!駄目だから!それ絶対駄目だから!

ほら、オマエ、今の本命はテル坊主だろ !? そうだろ !? それがそいつの目の前で別の野郎を部屋に誘うとか絶対駄目だろ!」

イグナツ「んー、セイクリッドに対する愛しさと、彼らに対する愛しさはまたちょっとベクトルが違うんだけどなー

エリフォン「そんな大人の愛情のベクトルの違いがわかるほど、テル坊主は大人じゃないから!お前の方が配慮しないとな!」

イグナツ「……まあ……そうかもしれませんね。僕の今の本命はあくまでもセイクリッドですからね

エリフォン「よし!それでいいぞ!それでいい!

お前のキャラはテル坊主馬鹿でナンボだもんな!」



イグナツ「なんですかそれ。まあ、いいでしょう。明日にはセイクリッドが〈本国〉に戻ってきますし。このスケジュールの具合なら一緒に話す時間も作れるでしょうし、あわよくば、〈検診〉の時間も……ふふふ」



エリフォン「(すまん、テル坊主!すべてはじるるん達の生活を守る為だ。お前ならなんとか出来る!出来るとも!俺は信じてる……!)」



結論:神レベルの変態は格が違った。



……イグナツ兄さんは神話の時代から美少年も美青年も大好きなので、元帥は当然連れ去りたいレベルで好みなわけですが、ガチホモのプレさんとは違って、同じくらい美少女のジャンヌたんも好きなので、二人揃って愛でるのが理想。

例えるなら、元帥達に対する兄さんの『愛』は腐女子の『萌え』に近いものの気がする。



しかし、2Dの同人と違って、対象が実在しているので、いざとなれば、いわゆる愛が募っての『俺×好きなキャラ』を実行する事も可能なわけで……エリフォン兄さんが焦りまくっているのはその為です。元帥、ジャンヌたんそろって貞操がアブナイ。

紀元前から存在する神様の倫理観はフリーダムですから。だからこそキリスト教が浸透した後は魔皇にされるのである



ただし、同格の〈天魔〉である殿下に対してはそう簡単には事は運ばず。

エリフォンやシードによるガードも固いので、おいそれと手は出せないのであった。

(ついでに本気で手を出したらダレフに殺されると思われ)





最後に、前回更新した小話に対する返信不要のコメントありがとうございました……!






(22:48)

2014年12月08日

──〈本国〉にある東宮ことセイクリッド=ダーウェル=アフラロイド殿下の執務室は今日も平和だった。



テルゼ「(おしるこドリンクをすすりつつ)まあ、ジルさんの連載が始まってからというもの、すっかり僕らはヒマになっちゃったからね~」

シード「(缶コーヒーを片手に)本当は俺たちの話も連載される予定だったんだがな……」

テルゼ「一応続きを書く気はあるらしいけどね。

まあ、全てはジルさんの話の展開次第かな……」



ジャンヌ「たのもー!」



──どかーん!(※軍旗で執務室の扉が破られた音)



テル&シー「…………!!」



ジャンヌ(軍旗をぶんぶん振り回しつつ)「神様神様!うちのジルが大変なんです!!」



テルゼ「(目を閉じ、こめかみに指を押し当てつつ)ああ……うん……なんで貴女がここにいるの?とか、なんでいちいち扉をぶち破る必要があったの?とか、色々ツッコミたいところはありますけど、今は何を言っても無駄っぽいので単刀直入に……

一体どうしたんですか?ジャンヌさん



ジャンヌ「ジルが……ジルが……ぐれてしまいました……!」



テルゼ「えっ !?

シード「あの生真面目を絵に描いて動かしたような御仁が……グレるとは……」

テルゼ「十中八九作者のせいだな……



ジャンヌ「デート企画構想からはや3年。やっとこさこぎつけた連載も頓挫し始めたせいで、『これ以上お預けとか……さすがの私でも死にます』と、悪の道に……!(しくしく)」

テルゼ「ああ!やっぱり……」

シード「俺も仕事をヘルプしてもらった恩があるからな(※)……どうせ暇だったんだ。様子を見に行ってみよう」



(※ジルさん、本国でアルバイト元帥に就くの巻、はまたの機会に)



in地球。



ジル「…………」(無言で街中を闊歩している)



テルゼ「あ、いましたよ。ジャンヌさん」

ジャンヌ「……ジル!」

シード「ん……?見た限り、特に変わった様子はないようだが……」

テルゼ「あれ?何か入ったビニール袋を持っていますね」



ジル「…………」(近所のスーパーの前のリサイクルBOXの前に立つ)



シード「あ、ビニール袋から何か出した。

……ん?あれは……空のペットボトルか?



ジル「(手にした空のペットボトルとリサイクルBOXをしばらく交互に見つめつつ)……く……っ!



テルゼ「あ、捨てた。燃えるごみの中に」



ジル「……っ!……っ!……っ!」



──がこん!がこん!がこん!



スーパーの店長「ちょ……そこのお兄さん!困りますよ!家庭ごみをそんなに持ち込まれちゃ!!」



ジル「(びくっ!として)ぱ、パルドン……す、すいません……」

スーパーの店長「あー、あー、しかも全部『燃えるゴミ』の方に入れちゃってるし……外人さんだから分からなかったのかな……ペットボトルはこっちよこっち、プリーズ」

ジル(長身を縮こませて)「……はい……」



テルゼ「…………」

シード「…………」

ジャンヌ「…………」



ジル「…………」(結局自分以外の誰かが先に捨てていたペットボトルその他までしっかり分別を手伝った後、一人とぼとぼ歩いている)



迷子「うわーん!おがぁああさぁあああんっ!どごいっぢゃっだのぉおおお~!」



ジル「(横目でちらっと見て)……ふん……」



テルゼ「おや、そのまま無視していきましたね」

シード「……いや、待て。

なんか頭を抱えてブツブツ言いながら戻って来たぞ」



ジル「(子供の前にしゃがみ込み、慈父のような笑みを浮かべつつ)…………坊や。少し先に行くと交番がある。きっとそこに行けばお母さんに会えるだろう。私と行こう(ふわっ)」

迷子「…………?うん!(にこっ)」



テルゼ「…………」

シード「…………」

ジャンヌ「…………」



ジル「……では私はこれで

(結局、交番まで子供を送り届けた後、母親が来るまで付き添い、親から礼を言われつつ立ち去る)

…………ふう




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(17:45)

2013年12月15日



君は、



彼の存在を感じたことがあるか…… !?



(ある昼下がりのベネチア)



クリス「(いかにも高そうなブランド物のティーカップから立ち上る芳香を楽しみつつ)……ああ、やはりアンジェリカの淹れてくれるダージリンは格別だね……心が落ち着くよ」(にっこり)

アンジェリカ「お褒め頂き恐縮です……ただ、その……クリス様……」

クリス「……?なんだい?」

アンジェリカ「わたくしの淹れるお茶でくつろいで頂けるのは大変嬉しいのですが……それにしても、最近のクリス様はくつろぎ過ぎ……もとい、たるみ過ぎなのではないでしょうか……



クリス「………………!」



アンジェリカ「非常に申し上げにくいですが……現状更新が停止しているとはいえ、形となって発表されている小説が2話以上存在しているローマ伯に比べ、サイト設立10年目を迎えようとしている本年に至っても、クリス様のご出演は決して多いとはいえず……」



クリス「…………!(ぐさっ)←ハートにダガーが突き刺さる音」



アンジェリカ「このかおす本舗全体の歴史を考えれば、クリス様より遥かにぽっと出の若造のはずであるジル=ド=レイ卿の方がローマ伯すら上回る勢いで活躍されているご様子……

既に外伝小説も余裕で160ページ越え……どころかスピンオフ扱いで完全に主役としての地位を確立されています。

おかしいですね、ローマ伯の好敵手は本来クリス様のはず。

ローマ伯との絡みは今となってはクリス様よりもハマっているご様子。

あの方も最初はローマ伯を引き立てる為のチョイ役だったはずなのに……今では皇太子殿下と肩を並べる看板キャラではないですか」



クリス「……!……!……!(ぐさっ!ぐさっ!ぐさっ!)」



アンジェリカ「スタート時はずっとリードしていたはずなのに……一体……どこで逆転してしまったのでしょう……」



クリス「(大量の冷や汗の流れる顔に、ひきつった笑顔を張りつかせながら)……はは……確かに元帥閣下の活躍は凄いものがあるけれど……ほら……あの方は作者が大好きな銀髪系キャラだから……



アンジェリカ「……クリス様だって立派な補正対象である金髪系キャラじゃないですか



クリス「……あ……(自分でも忘れていた)」



アンジェリカ「……はあ(深々とため息)……確かに設定が好評されて以来、イラストに描いて下さる方がいたり、それに乗じて作者が短編小説を書き下ろしたりはしていますけれど……ぶっちゃけ、同じ『かおす本舗』のキャラの間では殆ど私達、認知されていない(=友達がいない)のではないでしょうか



クリス「(ひきつった笑顔のまま石化)」



アンジェリカ「……クリス様……このサイト……特にブログでは、相手から絡んでもらえない以上、黙っていたらそれで負け、試合終了なのです……!(くわっ)」

クリス「は、はい(汗)」

アンジェリカ「さあ、クリス様!御自ら立ち上がるのです!戦うのです!そして掴み取るのですよ!!

人気者の座を……!スピンオフの栄光を……!主役の座を……ッ!(拳をぐっ!)」

クリス「…………う……うん……がんばる……よ……(あ、アンジェリカが……アンジェリカが恐い……)」



アンジェリカ「それでこそ私のご主人様ですv

実はそんな素敵なクリス様に、素敵な方から招待状を頂いております」



クリス「……招待状……?」(ぴらり)

(渡された一通の洋封筒を受け取り、おもむろに開く)





『今日も今日とてさえない日々を送っている一同へ

 自らの運命は自らの手で開かねば明日はない。

 来たれ挑戦者よ。

 地の底から這いあがる気概を持つ君達を、我々は歓迎し、

 栄えある英雄(イケメン)の一員として認めよう』






クリス「……これは一体……」



アランソン「あ、君のところにも招待状きてたの?

高位の吸血鬼が味方か。これは心強いなぁ~」

クリス「…… !?

……えーと……あなたはたしか……」

アランソン「(胸をそらせつつ)ふっふーん♪ 世にも名高きジャンヌちゃん第一の騎士・アランソン公ジャン2世とは私のことさ!(サムズアップ)」

クリス「聖女の騎士……ああ、おっぱい星人の方の人ですか……」

アランソン「ちょ……!いっとくけど、おっぱい星人なのは男爵も変わらないからね !? むしろあっちはむっつりな分性質が悪いからね…… !?

君だって、私らからしてみれば『かおす本舗の金髪で目立ってない方』っていう扱いなんだからさ !? そこんところ理解した上で発言してよねヨロシク!」

クリス「……き、金髪で目立ってない方……(ガクッ)

アンジェリカ「そこで挫けてどうするんですかクリス様!ファイトです!」

アランソン「そうそう。これからまさに私達は一丸となって、イケメンの座にいけしゃあしゃあとふんぞりかえっている敵の牙城に飛び込んでいこうとしているのに、膝を折っていてどうするの !? 」



クリス「敵の牙城……?



史河「え~、乗り込むって、そんな物騒な話、僕聞いてないですよ~?アランソンさ~ん」

アランソン「なにいってるの!君だって今回の『イケメン十二宮』を制覇して、いつまでも『イラストといったら設定画』しかない状態から抜け出したいでしょ !? 」

史河「……別にいいですよぉ……少なくとも『設定画すら存在しない』貴方よりはマシですし……」

アランソン「あんだとーッ!(怒)



クリス「イケメン十二宮……

史河「……某80年代ジャンプの金字塔的少年漫画のファンであるうちの作者が、どっかのギャルゲー会社の4月バカ企画をそのまんまパクって考えたしょうもない企画ですよ……」

アランソン「そう。このサイトの中でも高いヒエラルキーに君臨している『神7』を始めとするギャラクシー・イケメン軍団が待ち受ける『十二宮』を昇竜のごとく駆け登り、我こそが真のイケメンであると下剋上奉るナイスリベンジチャンスなのさ……!

史河「……と、ポジティブシンキングなのはアランソンさんだけで、ぶっちゃけ僕は中途半端な存在感のキャラを根こそぎ始末する罠の気がしてならないわけですが……

アランソン「もう!リアル中二病なのにネガティブシンキングだな君は……!愛と勇気と希望の名の下に、根性と小宇宙というミラクルパワーで何とかしちゃうのが日本のティーンエイジャーなんじゃないの !?

史河「貴方は日本のアニメと特撮の見過ぎです!

跳躍系少年漫画と比べて、結構シビアな世界観なんですよ!うちは!

だいたい、冷静に考えてみて下さい。うちのサイトのスター軍団が相手なら、はっきり言って本家の十二宮を制覇するより遥かに無理ゲーなんですからね!

リアルに神が混ざってるし。しかも複数名



エリフォン「もっともな意見だ。だけどま、その常識を覆そうとする心意気は嫌いじゃあない。だから俺がここにいるわけだ(ニヤリ)」



史河「え?」

アランソン「やっぱりきてくれたんだね……!兄さん!」(きゅぴーん)



エリフォン「……俺はお前の兄になったつもりはないし、そんな一部の本家ファンにしかわからないセリフを吐かれても、ここでは誰も反応しないと思うぞ……」

史河「そういう貴方も相当読み込んでるんですね……『聖○士○矢』……」

エリフォン「まあ同じ元ネタ(※ギリシャ神話)のよしみというヤツだ。少年」

史河「それよりなんでエリフォンさんがこちら側にいるんですか?むしろ貴方こそ十二宮の最後でふんぞり返っているポジションでしょ?色んな意味で

エリフォン「おっと、それ以上は禁則事項だ、少年よ。

まあ、いいじゃねえか。俺は基本、世界にケンカを売るようなバカは嫌いじゃなくてね。多勢に無勢で大きな事をやらかしそうな奴には味方したくなるのさ」

史河「そういや『圧倒的不利な状況から勝負をひっくり返す事に最高の快感を覚える』なんてテルゼも言ってました。基本似た者同士なんですね。二人とも」

エリフォン「そりゃアイツはマメ僧の頃から俺のありがたい薫陶を受けて育ってるからな。もう少し兄貴には俺に感謝して欲しいね」

史河「ふーん……色々と複雑なんですね」



アランソン「……そこ、私達を置いてきぼりにして色々話を進めない。

と・に・か・く!こちらのエリフォン大先生の協力を得られた今、戦力差は五分五分にまで持ちこめたはず!」

史河「本当にそうでしょうか……」

アランソン「さあ!いざ立ち向かわん!

このアランソン、今日こそジャンヌたんを侍らせて鼻の下伸ばしきってるあのアホ毛の奥歯をガタガタ言わせたるわーッ!」

史河「……けっきょくジルさんに一泡吹かせたいだけなんですね……貴方……」



エリフォン「……と、あちらはずいぶん盛り上がってるが、お前さんはどうするね?」

クリス「…………」

エリフォン「確かに俺は味方になるけどよ。それでも正直、分の悪い戦いだと思うぜ。何しろあちらさんは、単純な戦闘力はともかく、性根がねじ曲がってて、腹黒いのばっかりだからな」



───ぎゅんッ!



アランソン「ちょ、なになに !? なんか異空間から光の矢がすごい勢いで飛んできたよ !? 」



エリフォン「(光の矢を無造作に掴み取りしつつ)……ほらな?こうして俺たちがグダグダ話している間も、しっかりモニターされてるんだぜ?

……まーったく、スナイパーのくせに、無駄に殺意をビンビンに滾らせやがって、アイツは……」

クリス「……やります

エリフォン「……ほう」

クリス「貴方と違って生粋の戦人ではありませんが……僕だって……戦うべき時ぐらいわかります……!」



アンジェリカ「クリス様……!



エリフォン「……ふん。気に入ったぞ。その眼。

……んじゃ、そこのオマケ2名。お兄さんが特別に引率してやるから、はぐれずにちゃんとくっついてくるんだぞ~」

アランソン「おまけじゃなーい!

今度こそ絶っ対!活躍しまくってデザイン画と番外編書いてもらんだからねー!」



……かくして、いまいち冴えない残念なイケメン未満の男達による戦いが始まった。



エリフォン「いっとくが、俺はれっきとしたイケメン一軍組だからな!」





───たぶん、つづく。そしてオチもつく。予定。










(20:23)

2013年02月11日

(前回までのあらすじ)



全てはこの一言から始まった。



ジャンヌ:ジル、新東名に評判のフレンチトーストのお店がオープンしたそうです。

ジル:(『孫子』をめくりつつ)……そうですか。

ジャンヌ:この『静岡抹茶と小豆とバナナのフレンチトースト』、とても美味しそうですね。

ジル:ええ。ですがジャンヌ、こちらはこのサービスエリア限定の商品のようです。

ジャンヌ:食べてみたいです。

ジル:ですから、ジャンヌ。これは限定ひ……

ジャンヌ:食べてみたいです。

ジル:………………

ジャンヌ:……時速400キロでしたら、あっという間ですよね♪(にこにこ)

ジル:確かに私の〈カスノワ〉の最高時速は400キロを超えますが……後ろに貴方を乗せてとなると色々問題が……

ジャンヌ:もちろん、お荷物の私はお留守番に決まっているじゃありませんか。

ジル:(え?ツーリングに行きたいんじゃないの?ひょとしてパシリなの!?

……えーと……そもそもこの時代の公道には法定速度というものがありまして……

ジャンヌ:法定速度を気にして正義のヒーローが務まりますか。

さあ、思い切りぶっちぎってきて下さい!(びしぃッ!)

ジル:……………………………………………………はい。







エリフォン:……で、結局、ジャンヌちゃんの迫力に押し切られてしまったと……

ジル:ええ……(しょぼーん)

エリフォン:しっかし、じるるんは本当にジャンヌちゃんに甘々だなぁ。

一応、聖女様とはいえ、7つも年下の女子高生に大の男が完全に使いっぱしりにされていて情けなくならないか?

ジル:確かに自分でも情けなくなる時がありますが……やはりそれ以上に私は彼女に対して負い目がありますから……今、彼女に対して出来る事は、私の力の及ぶ限りではありますが、実現してさしあげたいのです。

エリフォン:ふーむ。

ジル:今はあんな感じですが、生前はあれで自らの事は常に二の次で、神の言葉を伝える以外は、本当の意味での自己主張は殆どしない女性でしたから……あのような少女らしいわがままで振り回されるのは、むしろ、私としては嬉しかったりもするのですよ。(苦笑)

エリフォン:そうかそうか……じるるんは本当に良い奴だな。史実と違って。

テルゼ:そうですねぇ……本来、このサイトの神7である僕らを脅かすこのハイスペックぶり、警戒してしかるべきなのに、なんか憎めないんですよねぇ……史実と違って。

ジル:…………そこはあまり強調しなくても。(汗)

エリフォン:んじゃあ、そんな健気な元帥閣下の為に、俺たちもひと肌脱いでやるか。

テルゼ:そうですね。



ジル:…………





(以下、回想)



ジャンヌ:……ジル……この私のささやかな願いがもし神に届くのならば……いいでしょう……

今夜から、『ぱふぱふ』と『まふまふ』に加えて、『すりすり』の上、『ぽふぽふ』の『きゅぱきゅぱ』も加えましょう。

ジル:………………!!!

ジャンヌ:逆に、聞き届けられないのなら、今夜から『ぱふぱふ』はナシです。

ジル:…………

ジャンヌ:なしですからね?(にこり)

ジル:…………何をおっしゃる…………このジル=ド=レイ、貴方の騎士として、その期待に必ずや全力で応えましょう……!(キリッ!)



ジャンヌ:それでこそ私のジルです。やはり我がフランス最高の騎士様は違いますね。(にこにこ)



(回想終了)







ジル:……私も所詮ただの男ですよ…………ふふ…………(遠い目)



エリフォン:……って、じるるん、最近ちょっとやつれてるぞ。本当に大丈夫か?

ジル:あ、大丈夫です……(iPhoneを取り出して弄りつつ)下調べはバッチリです。(弱弱しい笑み)

エリフォン:いや、道順とかのことじゃなくてだな……つか、普通にスマホも使えるのね……お前さん……

ジル:(片手ですいすいタップしつつ)便利ですよね。これ。

テルゼ:ルカシュさんは未だにインターネットも使えないのに……





ルカシュ:……う、何か寒気が……誰かまた俺のよからぬ噂をしているな……

レジーナ:ルカシュ……あなたも連絡用にせめて『らくらくフォン』くらい使いこなせるようになって下さいまし。

ルカシュ:べ、別に使い魔でいいだろう。使い魔で!

レジーナ:困ったおじいちゃんですこと……はあ。(ため息一つ)





テルゼ:(情報を精査しつつ)……ふむ、ここから例のサービスエリアの方に遊びに行くとなると、結構距離を走る事になりますね……だったら、ちょうど新装備の走行試験もしたかったし……みんなでいっちゃいましょうか!

エリフォン:(『どこでもドア』こと、空間跳躍トンネルを開いたところで)んあ?、今からさっと現地にテレポートして買ってこりゃいい話じゃねえのか?

テルゼ:そんな面白くも痒くもない展開は読者も作者も求めていません。もちろん、ジャンヌさんの希望通り、二輪でレッツゴー!です。(びしぃ!)



──こうして、世にも恐ろしい股下90cm越えの超高速ツーリング集団が結成されたのだった。



つづく……!


(17:21)

2013年01月31日

史河:暦上の春は近いですが、いよいよ寒さも本格的になってきて、受験シーズンも本番。そんな今日この頃にサイト内外を問わず天才と名高いジルさんに質問です。

ジル:天才かどうかはさておいて、私で答えられる内容であればなんなりと。



史河:ジルさんは語学がとてもお得意だとか。

ジル:どちらかといえばそうなるかな。

史河:僕は英語が苦手です。攻略の為の裏ワザ的コツはないでしょうか。

ジル:ああ、それなら簡単だ(にこり)。ラテン語を覚えてしまえばいいのだよ。

史河:ラテン語……ですか(汗)

ジル:そうそう。今日、ヨーロッパで使われている言語でラテン語の影響を受けていないものは殆どないからね。

史河:はあ……

ジル:ラテン語さえマスターしてしまえば、英語はもちろん、努力次第でフランス語もイタリア語もすぐに使えるようになるよ。

なんなら、私でよければ手解きしようか?(にこにこ)

史河:……あ……いや……お気持ちだけで結構です……ありがとうございました……(ぺこり)



(帰宅後)

史河:ごめん……ハイレベル過ぎて全然参考にならなかった……(涙)君の言う通り、地道に努力するよ……

テルゼ:(ぽんぽんと肩を叩いて)だから言ったろう……書いて覚える事すら満足に叶わなかった時代の天才と君じゃ次元が違い過ぎてお話にすらならないって……



■■■



サイト一の天才(※神のぞく)とサイト一の凡才を組ませてみた。

最近殿下やエリィとの絡みが多い関係で『ですます』口調のイメージが強い元帥ですが、あくまで相手が自分より『格上』であるから敬語を使っているだけであって、部下や年少者に対しては相応にフランクなしゃべり方になります。



それにしても。識字率がとんでもなく低かった時代に、ラテン語ペラペラで自分が翻訳した本を綺麗に装丁して持ち歩いていたぐらいだから(※学者ではなく、本職はあくまでも軍人です)、恐ろしく頭が切れたんだろうなー、というのは分かっていたつもりですが。



当時のヨーロッパはまだ印刷の技術が伝わっておらず、書籍自体がとても貴重だったのはもちろんの事、そもそも文章を記す為の『紙』を作る技術が伝わったばかりのところ。それはそれは高価でおいそれと入手出来るものではなかったので、本を作るのに使われたのはもっぱら『魔道書』のイメージにあるような、羊皮紙だったようです。

当然、羊皮紙も『皮』ですから、一頭から採取出来る枚数は限られていて貴重なもの。本一冊は今では考えられないほどの価値があるもので、大学の書庫等において、それらの『財産』は厳重に管理され、持ち出し禁止になっていたものも多かったとか。



結果として、当時、『読書』というのはもっぱら『音読』を指していて、学問というのは、基本、『読んで暗記』し、『口述』ないし『討論』して身に着けるものだった模様。



……えーと……

……あのクソ難しいラテン語を……(←聖書の原文を理解したくて、その手のサイトを少し覗きに行った事があったが、あまりの難解さに挫折。

ちなみに余談ではありますが、ヴァティカンの公用語は今でもイタリア語とラテン語だったりする。つまりルカさんもラテン語はマスター済)

……基本、『読んだ』だけで覚えたのか、この人……(遠い目)

(そりゃお金持ちだから、それなりに『書く』方にも投資出来たろうけどさ……ぶっちゃけ、フランス語自体だって英語より難しいんだぜ、文法……)



そんな事実を最近、改めて知るに至り、「基本、マニュアルさえあれば、なんでも使いこなせる(多分MSとかにも余裕で乗れる)」「ヨーロッパ言語を全てマスターした後、更には日本語、最近に至っては手慰みに『孫子』を漢文で読み始めた」という割とむちゃぶりだと思っていた設定も、案外フツーに行けそうな感じだな……とわかって、感動するやら呆れるやら。

こんな出来るイケメンがどうしてああなった。



いやはや、中世の天才をちょっと舐めてました、サーセン。

元帥マジリアルキスク……




(21:03)

2012年08月26日

(イグナツ先生のわくわく☆診察室(←)にて)



夏の女神のいたずらにより、思わぬところでそのおっぱい星人ぶりが露呈してしまったフランス王国元帥は、敬愛なる彼の聖女と反省会をしていた……



ジャンヌ:……ジル……あれはいけませんでしたね……

ジル:うう……申し訳ありません……(涙)貴方の騎士ともあろうものが、とんだ失態を……

ジャンヌ:いいですか?ジル。

かのブリテン王を発育途上などと評するのは、失礼にもほどがあります。

ジル:……その通りです。



ジャンヌ:そう……ブリテン王は15歳で選定の剣を抜き、不老となられた奇跡の人……

つまりはあの時点で完成形なのです!

その胸は行くことも退くこともゆるされぬ、まさに不動の城壁なのですよ……!

それを『発育途上』などと、淡い期待をもたせるような発言をなさるとは、残酷にもほどがあります!!



ジル:…………(え?そういう論点なの?・汗)……は、はい……

ジャンヌ:そもそも貧乳はステータス。貧乳はステータスなんですよ……!

日本の都道府県別調査でも理想のカップ値は軒並みC以下ではありませんか。(※嘘のような本当の話)

貴方やアランソン公は慎ましやかな胸の良さというものを余りにも見落としがちです。

ジル:……猛省致しました。

ジャンヌ:分って頂けたなら結構です。

……それはそうと、日本の夏はとかく吸血鬼の貴方には辛い気候なのですから、あまり無理はしないで下さいね。

早く元気になって、美味しいものを食べに行きましょうv

ジル:そうですね。(にこ)



(ジャンヌ:ま、『巨乳は正義(ジャスティス)』ですけどね♪)



(後日談)

ジャンヌ:──そんなわけで、神様、ジルの身体に優しい、エアコンのついている馬車が欲しいです。

テルゼ:………………(たかられてる !? 僕、たかられてる !?



本日の結論:ジャンヌさんが一番ヒデェ。



■■■



先日、リアルにハヤブサ(青)でタンデムしているカプを目撃して、つい凝視しそうになりました。

(※これまでニンジャにタンデムしているカプは見た事がありましたが、ハヤブサは初)

殿下がデート話で力説していた通り、発進時は後部座席の彼女は完全密着。ジルジャンに脳内変換すると大変萌えました。元帥の中の紳士がログアウトするのも無理はない。










(11:10)

2012年08月19日

……相変わらず厳しい残暑が続く日本列島であったが、『聖女とゆかいな仲間達』、ことフランス軍の面々は、故郷比2.5倍(アランソン談)の過酷な環境にもめげず、それなりに夏をエンジョイしていた。



アランソン:んふっふふ~♪

見て見て!男爵~!私なんか夏コミ行ってきちゃった~v

(薄い本やら抱き枕やらをずらっと並べて)

あの戦場を突破して得たこの戦利品の数々!

ほらほら、ジャンヌたんとクリソツな事で有名なアルトリアちゃんの同人誌やグッズも買いまくりだよ。

勢いでプレ値のフィギュアまで買っちゃったv

これから寝室で毎日眺めながら……どぅふふふふふ……



ジル:(ジト目で)……アランソン公……あなたの目は節穴ですか……?



アランソン:へ?



ジル:(びしぃ!と某アーサー王の胸元を指して)見て御覧なさい!この圧倒的な戦力差を……ッ!

アランソン:はい!?

ジル:貴方は復権裁判であれほどジャンヌの胸を熱く語って逮捕されておきながらッ!

よりにもよって、この発育途上なブリテンの王に乙女の面影を重ねるとは何事ですかーッ!!!(くわっ)

アランソン:え……ちょ、だ、男爵???(汗)

ジル:(ずいっとにじり寄って)いいですか?

ジャンヌの胸はこう……大きすぎず、小さすぎず、あのまさに神が造形したかごとき絶妙なバランスのもとに、その肌は若さが弾ける張り艶を感じさせながらも、同時に聖母の慈愛すら湛えた柔らかさで……(中略)



アランソン:男爵ー……だんしゃーくー……もしもーし……戻っておいで~



ジル:(←聞いていない)──含んだ時の口当たりはなんともまろやかで、唇には至福の──(中略)──ですから、混在する神性と母性、そして時折除く女性の魔性な面との演舞が──(以下略)



エリフォン:……おーい、じるるんが暑さでとうとうぶっ壊れたぞー

衛生兵~衛生兵はいるか~

テルゼ:ああっ!よくみるとアホ毛の先から煙がッ!!煙が上がってますッ!(汗)

ジャンヌ:ジル……!しっかりして下さいッ!(涙)



……ぴーぽーぴーぽー……(以下ドップラー効果)



エリフォン:多分、このくそ暑いのにいつものあの恰好で大型バイク乗り回してるから熱中症になっちゃったんだな……可哀想に。



本日の教訓:エロスよりも水分補給を大切に。

(※夏の大型バイクでのツーリングは真面目に尻に火鉢状態になるらしい。ご注意を)



■■■



ただ今、当館は夏季休業中であります。

なんだかんだで、やはり復活は暑さがひいた10月以降になりそうですね……

つーか、このネタ、『Fate/Zero』知らないとちょっとアレだよね(汗)。

それにしても。

型月10周年記念でバンプレストが出しているアルトリアフィギュアの胸がちょっと盛り過ぎだと思っているのは、私だけではないはずだ。多分。






(13:00)